世界中の美術館やアーカイブから展示やコレクションを検索することのできる<Google Cultural Institute>が、絵画の細かい筆のタッチまで映し出す高精度カメラ「アート・カメラ」を発表した。

アート・カメラ

この「アート・カメラ」は、世界中の絵画を超高解像度のギガピクセルの画像イメージで映し出すことができる、カスタムビルドのカメラ。絵画をギガピクセル(10億画素以上)で捉えることで、裸眼では見落とすような細部まで映し出すことが可能だ。撮影した絵画のデータをズームすれば、実際にキャンバスに近づいて虫眼鏡で見ているような感覚で鑑賞することができる。たとえば隠れた署名や、水の揺らぎや流れを表現する軽いひと塗りの筆のタッチも発見できるかもしれない。

ロボットシステムで自動撮影を行う「アート・カメラ」は、筆のタッチを正確にフォーカス撮影するためにレーザーシステムとソナーシステムが搭載されている。まるでコウモリのように高周波音を発し、作品との距離を計りながら撮影するんだとか。そして、細部を撮影した数千もの高解像度イメージを独自のソフトウェアによって組み合わせ、1つの絵画のイメージにまとめ上げる。これまでにもギガピクセルの絵画イメージを公開してきた<Google Cultural Institute>だが、このシステムを採用することで、より早く簡単に撮影することに成功したようだ。

そんなカメラが初めて導入された美術館のひとつが、オランダのロッテルダムにあるボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館。フィンセント・ファン・ゴッホによる名画「アルマン・ルーランの肖像」(1888年)を収蔵する美術館として知られている。

現在<Google Cultural Institute>は、ゴッホ、クロード・モネ、レンブラント・ファン・レイン、カミーユ・ピサロ、ポール・シニャックなど、約1,000点の作品を公開中。貴重な名画をデジタル化して世界中に共有するという趣旨に賛同する美術館には、「アート・カメラ」の無料貸出を行い、今後も絵画のアーカイブを増やしていくようだ。

世界中に点在する名画を、間近で見るのと変わらない画質で一度に楽しめるというのは、美術界における大きな進歩と言えるだろう。

https://www.google.com/culturalinstitute/home