2016年3月22日、ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)のファイフ・ドーグが糖尿病による合併症のため他界した(享年45歳)。

ATCQ は、90年代に活躍したヒップホップ・グループ。ファイフと幼なじみのQ-ティップ、DJのアリ・シャヒード、ジャロビ・ホワイト(後に脱退)の4人で80年代後半に結成されたATCQは、1990年のデビュー作『People’s Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm』で話題を集め、1996年にJ・ディラと共に制作した4作目『Beats, Rhymes And Life』で初の全米チャート1位を獲得し、グラミー賞にもノミネート。多くのアーティストに絶大な影響を与えた伝説的なグループだ。

1998年に解散後、折に触れて再結成してきたATCQだが、ファイフは長らく糖尿病を患っており、慢性的な健康不安にさいなまれていた。ファイフの死により、もう彼らのパフォ-マンスを観ることも、新作を聴くこともできなくなってしまった……。ここではファイフが遺した、ATCQ以外での素晴らしいラップを振り返ってみよう。

 

■Chi-Ali Ft Dres & Phif Sawg “Let the Horn Blow”

BEATNUTSプロデュース、<ネイティブ・タン>一派のMCによるニュースクール・クラシック。ブラック・シープのドレスとデ・ラ・ソウルのデイヴ(トゥルゴイ)もフィーチャリングされているが、ファイフお得意のスポーツ絡みのネタで圧倒している。

■Fu Schnickens,“La Schmoove”

元NBA選手のシャキール・オニールとの絡みでも有名なフー・シュニケンズ。レーベルメイトだったATCQは楽曲プロデュースも手がけた仲だが、ファイフは彼らのこのトラックでも高らかにラップしている。「緊張感とテンションに満ちたボイスを持ったラッパーを一人挙げてみろよ!」

■De La Soul “Ghost Weed2”

“有名ラッパーの真似なら誰だってできる”と始まるこのラップ。“ファイフだってもちろんやれるぜ”と、ファイフの真似パートに突入するかと思いきや……本物のファイフがファイフのふりをしてラップを始める、というちょっとひねくれたコンセプトの曲。ファイフの持ちネタの一つである、「L-Y-R to the I-C-S」とアルファベットを並べるくだりも、いかにもファイフという感じでニヤリとさせられる。

■WBAI Freestyle

J Smoothの“Underground Railroad”で披露されたフリースタイル。即興で言葉を繰り出してゆくのがラップ本来の姿で、この実力があるか無いかでそいつの本領がわかる……というわけで、ATCQが8分間に渡って繰り広げる濃密なフリースタイルは圧倒的だ。

http://www.wired.com/2016/03/phife-dawg-guest-appearances-rip/