英<ガーディアン>が、ファッションにおけるフォントの歴史と最新の流行に関する記事を掲載している。

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現在のファッション業界では、ロゴTシャツなどに使われるフォントが重視されているようだ。フォントは一般的に、縦線が太くて書体の端に飾り(ウロコ)がある「Serif」フォント、線の太さが一様で書体の端にウロコがない「Sans-Serif」フォントに大きく分けられる

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この「Sans-Serif」フォントを使用しているファッションブランドといえば、日本でも大人気の『Supreme(シュプリーム)』だろう。アメリカのコンセプチュアル・アーティスト、Barbara Kruger(バーバラ・クルーガー)の作品からパク……インスピレーションを受けた「Futura Bold Italic」フォントを使用しているのだが、今では『Supreme』のほうが有名になりすぎたため、適当なフォントでロゴをパロった模造品が蔓延しているほどだ。

 

他のブランドで言えば、『House Of Holland(ハウス・オブ・ホランド)』「Franklin Gothic Extra Condensed」フォントを、『MOSCHINO(モスキーノ)』はおそらく「Bebas Neue」フォントを基にしていると思われる。

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また、コレクションブランド『VETEMENTS(ヴェトモン)』は物流企業<DHL>のロゴ(Gran Turismo Italicフォント風)をまんま使用したTシャツを数万円で販売し話題になった。

『ヴェトモン』は今年のコレクションでもブラックメタル風フォントのロゴTシャツを発表しているが、最近特に人気があるフォントといえば「Old English/Black letter」。もともとはドイツで使われていたゴシック体のフォントだ。

 

この古いフォントの流行は、カニエ・ウエストの最新アルバム『The Life of Pablo(ザ・ライフ・オブ・パブロ)』のマーチャンダイズに使用されたことも一旦と言えるだろう(手掛けたのはLAのアーティスト、Cali Thornhill DeWitt/カリ・ソーンヒル・デウィット)。アーティストのマーチとしては異常なほどのヒットアイテムとなり、まさに『Supreme』と同じくコピー商品が出回るまでになってしまった。80年代前後のヒップホップ系ファッションを想起させるこのフォントは、いまや世界中に浸透している。

 

 

なお、メタルの影響を感じるフォントといえば、ビーバーやリアーナがスケート雑誌ブランド『Thrasher(スラッシャー)』の炎ロゴが入ったパーカなどを着ているのが目撃されているが、同誌編集長のジェイク氏はスケーターでもないセレブが着用することを快く思ってはいないようだ。

 

最新のファッションに取り入れられるフォントの傾向は、現代人がインターネットなどPCの画面を見ている時間が長いという事実と関係しているかもしれない。Googleは「Arial」、Twitterは「Helvetica」、Facebookは「Helvetica」「Arial」……と、ごく普通のフォントをデフォルト文字として使用している。日常的に見慣れたフォントよりも、どこか変わったフォントのほうが印象的に映るということはあり得るだろうし、なにより面白みのないスクエアなフォントを衣類に乗せただけではショボく見えてしまう、という作り手側の事情も当然ある。

https://www.theguardian.com/fashion/2016/oct/18/just-my-type-how-fashion-became-all-about-the-font?CMP=twt_gu