携帯、PC、ネット、クラウド……テクノロジーの発展により我々の生活やビジネスは大きく変化したが、そんな今、あえて“最新の”タイプライターを紹介したい。

「Freewrite」と名付けられたこのマシン。80~90年代に活躍したSHARPのワープロ「書院」シリーズをどこか彷彿とさせるルックスだが、実はネット機能もアプリもない、ただ文章を打ち込むためだけに存在する、まさにタイプライターそのものだ。

なぜそんな不便なものをいまさら……と思う人もいるかもしれないが、いつでもSNSにアクセスできて、買い物もできて、ニュースも読めればゲームもできるという環境では、執筆だけに集中するのは難しい。便利な環境は、時に集中の妨げにもなるのである。

そこで「余計なものを全て削ぎ落とす」というコンセプトのもとに生み出されたのが、この「Freewrite」。もともと2014年に「Hemingwrite」という名称でクラウドファンディング<Kickstarter>に登場し話題となったが、なんと350,000ドル(4000万円)もの出資が集まり、めでたく一般販売に至ったというわけだ。

そんな「Freewrite」は、自然光の下で視認性の高いe-inkディスプレイと、文章を他端末と共有できるWi-Fi機能を装備。しかも対応クラウドとしてDropbox、Evernote、Google Driveと、今後はiCloudも加わる予定だという。自宅のPCで作業の続きをしたり、メールに添付して送ったりといった作業も可能で、もちろんプリンターと接続して印刷もできる。

操作もかなり基本的な装備だけで、例えばファイル選択に使うスイッチとWi-Fi接続起動のスイッチも大きめのノブを採用するなど、全体的にレトロで遊び心のあるデザインだ。重さも約1.8キログラム(Mac Book Proの13インチと15インチの間くらい)なので、持ち運びも楽ちん。さらに、文章ファイルは100万ページ以上も記録可能で、バッテリーは1回の充電で4週間も使用できるというから驚き。省エネなディスプレイと、ネットに繋いでいないことが電池が長持ちする理由なんだとか。

価格は税別499ドル(約56000円)。機能の少なさを考えると若干お高いような気もするが、それも各部品にクオリティの高い素材を使用していることと、限られた機能を高いスペックで搭載しているからこそ、と開発者は語っている。とにかくひたすら文章を書くことに特化した、色んな意味で最新型のタイプライターだ。
https://store.getfreewrite.com/