米ミネソタ州に住むジョアンナ・ワトキンスさん(29)は、食品、日光、匂いなど、日常生活を送る上での“あらゆるもの”に対してアレルギー反応を起こしてしまう珍しい病気に苦しめられている。

arerugi

普段、ジョアンナさんはビニールで覆われた“安全ゾーン”を作って生活しているが、その症状は日々悪化しており、ついに“夫の匂い”にまでアレルギー反応を起こすようになってしまったという。

彼女と夫のスコットさんは、5年前に同州ミネアポリスのプライベートスクール<Hope Academy>で出会った。お互い小学校教師として働いていた2人は2013年に結婚し、同居。しかし、2年もたたないうちに彼女のアレルギー症状が悪化してしまう。

最初は食べ物によるアレルギーと考えて食生活を変えたが、体調は改善せず。そして2013年、彼女は<マスト細胞活性化症候群 (MCAS)>と診断されてしまったのだ。

<MCAS>は、様々なものに対して重篤なアナフィラキシー反応を起こす遺伝性疾患で、患者数は世界の人口の1~15%。しかもジョアンナさんの症状は重く、投薬や化学療法も効果をもたらさなかったという。

今のところ、調味料を含めた15種類の食品は食べられるため、1日1食で特別なメニュー2種類をくりかえすことで食生活を楽しんでいるというジョアンナさん。有機生産された牛肉、水、セロリ、有機人参、有機アメリカボウフウ(パースニップ:人参に似た根菜)を使ったメニュー、またはラム挽肉と有機キュウリを使ったメニューのいずれかを食べ続けているそうだ。

そんな状況にもかかわらず、彼女は「1年以上、同じ2種類のメニューを食べ続けているけど、あいかわらず美味しく感じるわ。食べることが大好きで、私にとっての喜びなの。これらの食品を食べ続けられるのは天からの贈り物ね」と前向きだ。

なお、食品だけではなく、他人の匂いにもアレルギーを発症しているので、彼女と面会する相手は特別な無香料ソープを使用し、匂いのある製品を使うことを止め、玉葱、にんにく、唐辛子が入った料理を食べることを避ける必要がある。

しかし2016年1月には、そのルールを守って接していた夫に対してさえもアレルギーを発症してしまった。帰宅後にシャワーを何度も浴びて、マスクを装着し、彼女の部屋に保管していた服を着たとしても、彼が部屋に入って2分後にはアレルギー反応を起こしてしまうのだそうだ。

現在は別々の部屋で寝て、スカイプやメールなどで会話しているという2人。スコットさんは「すごくつらいよ。でも愛する人に会えないときには、より意識的に行動しなくてはならない。そうすることで、私は妻への愛を育んでいる」と語る。

2015年、アパートの水漏れからカビが発生し、2人は早急に引っ越しせざるを得ない状況になってしまったが、幸いなことに友人夫婦のダンさん&ルーシーさんと4人の子どもたちが一軒家に同居させてくれることになった。

数カ月前にジョアンナさんのアレルギーが悪化したとき、ダンさん&ルーシーさんはキッチンで料理を作ることを止めてくれた。料理の匂いがジョアンナさんのいる安全ゾーンに届き、体調不良になるからだ。幸いにも、隣人たちが好意でキッチンを貸してくれ、必要なときは鍵を預かって隣人たちのキッチンを借りているという。

近所の住民はとても協力的なようで、隣人たちは彼女がバーベキューの煙と匂いがアレルギーを引き起こすことを知ると、グリル料理やキャンプファイヤーをすることも止めてくれたそうだ。

ジョアンナさんとスコットさんは周囲の協力に感謝しつつも、現在のような生活は長く続けられないと、クラウドファンディングサービスで10万ドル(1,134万円)の資金を募るキャンペーンを開始。古い家をリノベーションし、空気ろ過システムなども導入した上で、クリスマスまでには引っ越したいと考えている。

彼女は「私たちは多大な愛とサポートを受けており、本当に恵まれている。この生活は非常に大変でつらいけど、我々は孤独ではないし、それはとても素晴らしいことだ」と、前向きに通院を続けているようだ。

 

The Tragic Case of a Woman Who Is Allergic to Virtually Everything, Including Her Husband