2千年以上もの長きにわたって、馬の蹄には蹄鉄(ていてつ)を装着するのが一般的だった。しかし、オーストリアの企業<メガサス>が世界初の馬用スニーカー「メガサス・ホースランナーズ(Megasus Horserunners)」を開発。この世界初の“馬用スニーカー”の登場により、今後は蹄鉄が使われなくなるかもしれない。

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同社の創設者チャーリー・フォストナー氏は、かつて動物福祉の仕事で馬を担当していた際に、なんと50%以上もの馬が深刻な蹄や脚の問題を抱え、やがて安楽死させられていることを知った。その後、蹄鉄の代用品の開発に20年間を費やし、これまでにも蹄を保護するプラスチック製品をいくつか開発してきたという。

このたび新たに開発された「ホースランナーズ」は、改良されたベルクロシステムを利用し、蹄にクリップで留めるタイプの世界初の馬用スニーカー。馬の履き心地を考えて設計された、これまでにない画期的な発明だ。

馬の蹄に強力なベルクロ「メガロックテープ」を貼り付け、そこにホースランナーズを装着。さらに複数のクリップで留めることで、しっかりと固定する。また、馬がスニーカーを脱いでいる状態では、夜間には光に反射する「メガプロテープ」を上から貼ることで、蹄が汚れるのを防ぎつつ保護することができる。

従来使用されている蹄鉄は、耐久性や適応性には優れているが、鉄製だけに重量があり、馬の動きに制限がかかるうえ衝撃吸収性はなく、蹄に熱や寒冷が伝わりやすいのが難点だった。また、釘打ちで装着するため、そのたびに蹄を傷つけてしまうのだ。

一方ホースランナーズは軽量で動きやすく、衝撃吸収性にも優れている。馬に合わせて調節ができ、しっかり固定できるので、泥や水などに覆われた地面にも対応が可能。雪や土などが詰まることもなく、掃除も簡単だという。

同社はホースランナーズのプロトタイプで複数回のテストを行った後、2016年10月から<Kickstarter>で資金を募っていたが、目標額の1万ユーロ(約121万円)を大きく上回る169,136ユーロ(約2千万円)を集めることに成功。1足75ユーロ(約9千円)から販売され、2017年7月に発送予定となっている。

http://horserunners.com