日本でもミュージシャン等を中心に益々盛り上がりつつあり、これまでにも何度か取り上げた(※第1回第2回)“モジュラーシンセサイザー”ですが、今回は3月13日に行われたイベント「Workshop of Modular vol.3」 にお邪魔してきました。

会場となったのは、エクストリームスポーツはもちろん、古今東西の先鋭的なミュージシャンやイケてる音楽イベントをサポートすることで知られている、レッドブルミュージックアカデミーのセミナールーム。全3回にわたるワークショップの最終回に当たるこの日は、おなじみのネットショップ「Clock Face Modular」のRINTARO氏による「モジュラーシンセサイザーの使い方講座」や、Z-hyper氏を迎えたDIYセミナー、さらには「東京モジュラーフェスティバル」や今回のワークショップの主催者であるDave Skipper氏とハタケン氏のライブパフォーマンスを交え、会場は静かな熱狂に包まれました。

ハタケンさんとDaveさんのセットアップ

ハタケンさんとDaveさんのセットアップ

 

■メインのセミナールームではモジュラー講座が始まりました。

Workshopですので、メインはモジュラーについてのレクチャー。ロビーで雑談していた人たちも講義が始まるとレクチャールームに吸い込まれて行きます。基本的な使い方から「現場」でのコツまで、大変勉強になりました。

セミナールームの光景。セミナーは終止リラックスしたムードの中行われました。

セミナールームの光景。セミナーは終止リラックスしたムードの中行われました。

 

セミナールームでは、国内の最重要ネットショップ「Clock Face Modular」のRINTARO氏が自らモジュラーシンセサイザーの使い方をレクチャー。今回は実際に氏のセットアップをもとに音を出して実演。出音の良さに圧倒されました。

セミナールームでは、国内の最重要ネットショップ「Clock Face Modular」のRINTARO氏が自らモジュラーシンセサイザーの使い方をレクチャー。今回は実際に氏のセットアップをもとに音を出して実演。出音の良さに圧倒されました。

 

 

市販のモジュールを使うのみならず、改造したり、モジュール自体をDIYで作ってしまおうと言うDIY講座。講師のZ-Hyperさんによるキュートな自作ケースのお披露目も。モジュラーシンセサイザーにはDIY文化が息づいています。

市販のモジュールを使うのみならず、改造したり、モジュール自体をDIYで作ってしまおうと言うDIY講座。講師のZ-Hyperさんによるキュートな自作ケースのお披露目も。モジュラーシンセサイザーにはDIY文化が息づいています。

 

■モジュラーを使ったアーティストによるミニライブも。

毎回、様々なアーティストによるモジュラーシンセサイザーの演奏も「Workshop of Modular」の目玉の一つですが、今回の出演は最終回との事で主催者のDave Skipperさんとハタケンさんでした。モジュラーシンセサイザーを使っていると言う共通点はあるものの、出演者それぞれのスタイルがあることには毎回驚かされます。

Dave Skipper氏のライブパフォーマンス

Dave Skipper氏のライブパフォーマンス

 

ハタケンさんによるライブパフォーマンス

ハタケンさんによるライブパフォーマンス

 

主催のハタケンさんとDaveさん

主催のハタケンさんとDaveさん

 

■メーカー/販売店のブースも出店されていました。

色々な「モジュール」を組み合わせて、自分だけのシンセサイザーを組み立てるモジュラーシンセサイザーですが、会場では前述の「HikariI Instruments」、老舗シンセメーカー「Roland」やネットショップ「Clock Face Modular」などメーカー/販売店の展示もありました。

また、昔に比べて安価になったとはいえ、1から集め始めるのはそれなりにまとまった予算が必要になります。初心者が気軽にモジュラーシンセを始められる様にとのことで、中古モジュール販売のコーナーも設けられており価格交渉の掛け声が飛び交う場面も。

まずは国内で精力的にモジュールの開発を行っているHikariI Instrumentsさん。「Clock Face Modular」など国内の販売店はもちろん、海外ではブルックリンのControl Modularでも取り扱いを始めたとのこと。HikariI Instrumentsの名前を知らしめた8ステップのロータリーシーケンサーや、わずか2HPと言う極小サイズのサイン波オシレータ「SINE」のほか、アルゴリズムに基づいて様々なリズムを生成するという新製品「Eucrhythm」など個性的なモジュールが展示されていました。

「Hikari Instulments」のブース。

「Hikari Instulments」のブース。

【SHOP DATA】
「Hikari Instulments」webサイト
http://www.hikari-instruments.com/

 

ガレージメーカーを中心に盛り上がってきたモジュラーシンセサイザーシーンですが、現在では大手の楽器メーカーも参入するほどに。今回は「Roland」からSYSTEM-500シリーズや、PCやタブレットなどのデジタル機器とモジュラーシンセなどのアナログ機材を繋ぐことのできるコントローラー、A-01などを展示されていました。

特に気になったのがSYSTEM-500シリーズ。Roland往年の名機を現代のEurorackフォーマットで蘇らせることをコンセプトとしたシリーズ。1978年に発売されたSYSTEM-100Mシリーズの音をモチーフしたとの事ですが、冨田勲氏の諸作品で知られるSYSTEM-700を参考にしたと言うパネルデザインの質感に目が奪われます。

「Roland』のブース

「Roland』のブース

【SHOP DATA】
「Roland Moudular Synthesizer」製品紹介サイト
http://www.roland.co.jp/aira/categories/modular_synthesizer.html

 

最後に、今回のワークショップの講師でもあるRINTAROさんのネットショップ、「Clock Face Modular」さんのブース。取り扱っているかなりの種類のモジュールを実際に演奏してみることができ、人だかりが絶えませんでした。前回取り上げたケン・キージーのマジックバス「Further」号との関係も気になるサイケデリックなパネルのデザインの「Furthrrrr Generator」などレアなモジュールも。

 「Clock Face Modular」のブース

「Clock Face Modular」のブース

同じく「Clock Face Modular」ブース

同じく「Clock Face Modular」ブース

【SHOP DATA】
「Clock Face Modular」webサイト
http://www.clockfacemodular.com/

■まとめ

人数限定の上、事前登録制の小規模なイベントだったのですが、良いライブがあり、モジュラーシンセへの情熱に溢れた人たちが集まっていたのが印象的でした。いうなれば90年代にクラブシーンが勃興する前後のような熱気を感じる非常に「濃い」催しだったと思います。音楽好きの若者がレコードの換わりにモジュールを集める、そんな時代が来るかもなんて感じさせてくれるイベントでした。

なお、2016年5月13日(金)には、今回のワークショップの主催者であるDave Skipper氏とハタケン氏により、イベント「東京モジュラーフェスティバル」が開催されます。国内外の様々なメーカーや販売店のブースも出店を予定しており、Richard DivineやJim O’roukeなどモジュラー界のキーパーソンも出演予定です。興味をお持ちの方は、参加してみてはいかがでしょうか。

 

「東京モジュラーフェスティバル」webサイト

http://tfom.info/welcome.html