<ユーロNCAP>による“Star rating system”(自動車の安全性能評価)の導入から、今年で20年の節目を迎える。それに伴い、新たに新旧車両クラッシュテスト比較動画を含む映像が公開された。

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新しい映像には、2017年製のHONDA Jazzと、1997年製のRover Metroが登場。この新旧車両を時速40マイル(時速約65km)で壁に衝突させて、20年間で自動車の安全性がどれほど高まったかを検証している。

当時のRover Metroにもエアバッグは装備されているが、その衝撃で車体の前半分はぺしゃんこに。「もしダミーでなく人が乗っていたら……」と想像するとゾッとしてしまう。

ドライバーは頭部に致命傷を負うだけでなく、脚と骨盤への圧だけでも致死量に値し、同乗者も頭部への衝撃が現在のリスク指標の3倍に及ぶ(実験レポート)。後部座席の子どもは、車の支柱に頭から突っ込むほどの衝撃だ。使用されたMetoroの100シリーズは、当時イギリスで最も普及していた車種だという。

かたやJazzのドライバーと同乗者は、あざ程度の軽傷で済むことが判明(※UKの<サッチャム・リサーチ>=ユーロNCAP認定のクラッシュテストセンター発表)。というのも、Jazzには衝突時に車の中心部にかかる圧力を分散させるクラッシャブル・ゾーン、つまり衝撃吸収の技術が採用されているのだ。

 

<サッチャム・リサーチ>のMatthew Avery氏は、次のように結果を分析する。

「当時の100シリーズでは、頭部がとても激しくぶつかり、命に関わる負傷のリスクは高い」

「隔壁は崩壊、つぶれたダッシュボードにドライバーの膝は完全に食い込み、脚が前方に投げ出された」

「その重みで、大腿部に18kN(約1835kg)もの圧がかかると、骨盤部分の大腿動脈は破裂してしまう」

「多量の内出血で死に至る可能性も考えられる。骨折などの外傷ではなく、骨盤への強力な圧が原因で命を落とすということだ」

「100シリーズの場合、助手席、後部座席、どこに乗っていても結果は悲惨。実験と同じ速度で正面衝突すれば、命の保証はない」

<イギリス自動車協会>の代表・Edmund King氏いわく、20年前は、安全基準が不明瞭であったため、「消費者は、車体が大きいこと、製造者が示す特定のセーフティ・フィーチャーがあれば、それを安全基準にしていた」とのこと。また、20年前の100シリーズの映像を振り返り、「初めて見たときは震えがとまらず、吐き気に救われた。今でも半分つぶれたRoverの写真は見ていて気分がいいものではない。そのくらいの衝撃だった」とも語っている。

20年前に<NCAP>のクラッシュテスト動画が公開されたことで、現在に至るまで15,000以上もの命が救われたと推定されている。サッチャム・リサーチは、今後製造されるすべての自動車にAEB(自動緊急ブレーキ)の義務化を呼びかけているが、安全性を高めるにも義務化は必要不可欠だろう。

 

http://www.dailystar.co.uk/tech/news/584611/Watching-this-video-will-make-you-never-want-to-get-in-a-car-again