米NYのスタテン・アイランドで、開店当初から“おばあちゃん”たちをシェフとして迎えているレストラン<Enoteca Maria(エノテカ・マリア)>は、世界中から予約が来るほど大人気だという。

nonnas
同レストランのオーナーであるジョディ氏は数年の間に、イタリア系だった祖母と母、そして姉までも亡くすという悲劇に見舞われた。「おばあちゃんの家庭料理が食べたい……」と悲しみに暮れていた彼が、イタリアなどの地元家庭料理を振る舞うレストランをオープンすることを思いついたのは、今から約12年前のことだ。

手探り状態で何とかオープンにこぎつけたジョディさんは、まず初めに「地元料理を調理できるイタリア系の主婦求む」という求人広告を地元新聞に載せることにした。すると、その広告を見たおばあちゃんたちが、リトル・イタリーにあるジョディの自宅に集結し、そこに彼女たちの夫や幼い孫たちも一緒に訪ねてきたという。家族に故郷の自慢料理を振る舞うおばあちゃんたちを見たジョディは、その光景を「まるでフェデリコ・フェリーニの映画のようだった」と振り返る。

 

現在<エノテカ・マリア>では、パレスチナやチェコ、アルゼンチン、ナイジェリア、アルジェリアなどなど、30カ国/地域出身のおばあちゃんたちがシェフとして腕を振るっているという。今やイタリア語で“nonnas”(“おばあちゃんたち”の意)と呼ばれて親しまれているシェフたちは、ニューヨークだけでなく近隣の州からも出勤し、日替わりで調理を担当しているそうだ。

母国が異なるおばあちゃんたちが集まった結果、毎晩異なる国や地域の地元家庭料理を楽しむことができるようになった<エノテカ・マリア>。ジョディは顧客に店のコンセプトを説明しながら、今もおばあちゃんシェフを各地でリクルートしているという。

「私は彼女たちの作る、昔からそれぞれの家庭に伝わってきた“秘密のレシピ”による料理を本当に愛しています。食べ物が大量に作られては捨てられる現代で家庭料理の味は忘れられていきますが、だからこそ昔ながらの“家庭の味”を守っていきたいのです」

 

New York Restaurant Employs Cooking Grandmas Instead of Professional Chefs