米ノースダコタ州の油田地バッケンには多数の石油ガス会社が立ち並んでいるが、油田やガス田から生じる遊離天然ガスの焼却時に発生する炎“ガスフレア”を排出しまくり、常に「資源のムダ」と非難されてきた。そんな状況が、あるスタートアップによって改善されるかもしれない。

Oil well and storage tanks in the Texas Panhandle.

Oil well and storage tanks in the Texas Panhandle.

燃料として利用できるのにただ燃やしてムダにしているだけでなく、ガスフレアは二酸化炭素の発生も問題視されている。そんな中、ベイエリアを拠点に7年目を迎えたスタートアップ<Alphabet Energy>が、大量のガスフレアを活用して電気を作り出すビジネスモデルに着目。その熱を利用して発電する焼却機/発電機「Power Generating Combustor(PGC)」を開発し、多数の焼却機を所有する石油ガス会社に対して販売を開始した。

この「PGC」は、燃焼技術企業<Coyote North>製の一般的な焼却機に取り付けて使用する。ガスフレアの先端を覆う蓋のような見た目をしており、熱電気と呼ばれる熱を電気に変える半導体が採用されているのが特徴らしい。同社は、過去にディーゼル発電機や自動車エンジンに取り付ける熱を電気に変えて発電する装置も開発してきたが、今後は新たに登場した「PGC」の売上増加に期待をかけているようだ。

アメリカでは、石油ガス会社は天然ガスの排出量を削減するように法律で決められているという背景もある。天然ガスはメタンや温暖化ガスなどを大気中に放出するため、オバマ政権では石油ガス会社によるメタンガスの排出量を今後10年間ほどで40~45%減らすことを目標にしているという。

ガスフレアによる発電技術は、環境にも企業にも優しいと言えるだろう。結果的に二酸化炭素の排出量は変わらないかもしれないが、熱を電気にリサイクルできるのは事実。また、発電した電力を再び事業に利用できるので、運営コストの削減にもつながる。

<Alphabet Energy>は、ガスフレアを利用する技術に大きな可能性を感じた多国籍企業<シュルンベルジェ>をはじめとする多数の投資会社から、すでに約2,350万ドル(約24億円)もの投資を受けているそうだ。

https://www.alphabetenergy.com/product/power-generating-combustor/