21世紀に入ってなお、多くの国で黒人への差別が根強く残っている。先日<WORLD STAR HIPHOP>が公開した“はじめて自分が黒人であると強く意識した瞬間”と題された動画では、6人のアフリカ系アメリカ人が、自分たちがはじめて人種によって差別を受けたときの屈辱的な経験を生々しく振り返っている。

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Jason Georgeは10歳のとき、学校で大勢の子どもたちとフットボールをして遊んでいた。体が大きかった彼は自分より体格の小さかった男の子にタックルすると、彼は恥をかかされたと思ったのか、Jasonのことを黒人を指す差別的な用語である“nigger(ニガー)”と呼んだ。

その言葉はJasonを激高させ、その後数秒の記憶がなくなるほど我を失い、気がつけば相手に詰め寄り息ができなくなるほど強く首を絞めていたという。彼は子どもが発した“ニガー”というたった一言で、自分が制御不可能な状態に陥ったことにひどく混乱したそうだ。HIPHOPの歌詞や黒人同士では日常的に使用されているその言葉が、いかに黒人にとって強いインパクトを持つかを表すエピソードといえるだろう。

黒人に対する偏見の一つに“よく物を盗む”というものがあるが、Sebastian KoleとKamau Bellも同じように疑いの目を向けられた一人だ。Sebastianが週末の教会行事のために友人の小型テレビをバスに運んでいたところ、それを見た近所の人が泥棒だと勘違いし、警察を呼んだというのだ。

Kamauは15歳のとき、友人のRobと遊びに出かけていたレコード店で背後から男性に呼び止められた。その男性は30代の白人で、「お前が物を盗んだという報告を受けた。ポケットの中を見せろ」と要求。Kamauはポケットの中を見せて何もないことを証明すれば男は納得して自分を解放してくれるだろうと思い言われた通りにしたが、男は無実が示されても態度を変えず、Kamauの襟元を掴み無理やり通りに放り投げたという。Kamauは不当な扱いを受けたことに屈辱を感じ、悔しさのあまり店の前で涙したそうだ。

他にも、自分がいないときにコーラ缶の中につばを吐きかけられたVan Joneのように黒人であることを理由にいじめられたり、Jade Romainは幼いころに祖父が白人というだけで養子であると勘違いされたりと、黒人たちはあらゆる偏見による差別にさらされている。

同じような差別をヨーロッパの国々でも受けてきた黒人たち。1983年にフランスに引っ越したAngelique Kidjoは、ある朝学校に行く途中ですれ違った隣人に“Bonjour”と挨拶したところ、襲われるとでも思ったのか慌てて逃げ出したという。こうした例のほか、黒人男性と観ればイチャモンを付けてくる警察官など、「黒人は攻撃的だ」というステレオタイプがもたらす理不尽な悲劇は今やアメリカ全土に広がっている。

Kamauは「アメリカで黒人であるということは、白人が何の理由もなしに攻撃したり脅してきたりすることに耐えなければならないということ。それは今も昔も変わらない」と、自分の体験をもとに語る。

偏見や差別は、理解できない相手に対する恐怖感からもたらされる。私たちに必要なのは、今なお様々な差別を経験し不平等な扱いを受けている人々がいることを知り、より相手のことを想像し理解しようと努めることではないだろうか。

 

http://www.worldstarhiphop.com/videos/video.php?v=wshhilK001RsPPu34D5B