ネット回線の高速化に伴いwifiルーターもハイテク化が進み、今や大小様々な製品が登場しているが、なんと“岩と炎”でできたルーターが登場した。

……と言っても90年代の人気ドラマ『恐竜家族』の小道具というわけではなく、もちろん実際に製品化されたわけでもない。それでも、この岩は熱エネルギーで発電し、USBで充電したりデータを出し入れできる、正真正銘のWifiルーターだ。

実はこれ、ドイツの美術館にある『Keepalive』というインスタレーション作品。Aram Barthollという作家によるもので、2012年にハリケーン・サンディがニューヨークを襲った際に、人々が『BioLite』(ストーブの熱で充電できる機器)で携帯電話を充電している姿を見て着想を得たのだとか。

この“岩”で充電するにはテクノロジーの原初まで遡り、まず火をおこさなければならない。Wifiルーターを充電するために “炎”を利用しなければならないというのは、アート作品として非常にユニークで、かつ風刺とウィットが効いている。

さらに、岩のUSBドライブには現代を風刺したような、“DIY離婚のハウツー” “ドローンの世界を生き延びる術”“スチームパンクのためのハウツーSEX”といったPDFデータが記録されており、人々はこれらに自由にアクセスしてダウンロードすることが可能。それらの内のいくつかは鑑賞した人々が勝手にアップロードしたデータかもしれないが、作者いわく「まったく構わない」とのこと。彼はデータシェアリングに積極的で、世界中にある壁にUSBメモりを埋め込んで誰でもデータを共有できるという画期的なシェアリング方法『Dead Drops』の開発者でもあるのだ。

「少しディストピア的な発想で生まれた作品です。未来でも、こういった装置を必要とするのか? 何百年も経ったあと、人類はこれを発見して、火を焚いてまで中のデータを探ろうとするだろうか? あるいは、そうまでしなければならない時代がやってくるのだろうか?」

そう作者が語るように、実際ちょっと不思議な気持ちにさせられる作品である。もしこの美術館を訪れることがあったら、後世に残すべき教訓や厳しい時代を生き抜くためのアイデアを、今のうちにアップロードしておいたほうがいいかもしれない。
http://www.odditycentral.com/technology/this-rock-is-actually-fire-powered-wi-fi-router.html