いわゆる“テレビゲーム”の中には視覚ではなく、聴覚だけを使ってプレイするものがあることをご存知だろうか? 音を頼りに進めて行くアドベンチャものや物語を楽しむものなど、実にユニークなゲームが多く、それらはもちろん視覚障害者も楽しむできる。

まずは、2006年にゲームボーイアドバンスで発表された『Soundvoyager』。ゲームの原点に立ち返ることをテーマにした「bit Generations」シリーズのひとつで、聞こえてくる音の中心を探し当てるというもの。鋭敏な聴覚を持っている人は耳で周囲と自身の立ち位置を把握していると言われるが、これはまさにその能力を発揮して楽しむゲームと言えるだろう。

『Soundvoyager』のコンセプトをより複雑化したのが、iOSでプレイするアドベンチャーゲーム『Papa Sangre』(2010年)だ。“死後の世界を探検して現世の記憶を取り戻して行く”という設定で、バイノーラル・オーディオ(人間の耳に届く音をそのままの形で録音/再生するシステム)により3次元の音空間を体験できる。前後左右上下から鳴る音を頼りに、罠や危険な場所を避けて移動していく、というのが基本操作。画面タップで歩き、早くタップすれば走るが、早すぎると足を取られて転ぶ、という操作性もリアルだ。画面には現在地や視界などが映っていないので、誰でも同じ条件で楽しむことができる。

セガサターンの『リアルサウンド ~風のリグレット~』(1997年)は、音声で物語を聞きながらプレイヤーがストーリーを進めるインタラクティブ・サウンド・ドラマと呼ばれるジャンルのゲーム。マルチエンディングを採用しており、あの飯野賢治がプロデュースということ、そして菅野美穂など豪華キャストも大きな話題となった。希望者には点字の説明書が送付されたそうだ。

最後にゲームではなく、ある驚異的なゲーマーを紹介したい。普段はミュージシャン/サウンドデザイナーとして働いているが、趣味がテレビゲームという男性だ。この彼、なんと全く視覚がないにもかかわらず、『ゼルダの伝説/時のオカリナ』をクリアしてしまったというのである。彼のプレイスタイルは、先述の『PapaSangre』などと同じで、設置したスピーカーからの音で目的地や敵の姿を認識して戦うというもの。理屈はわかるが、 まるで全て見えているかのようにバシバシと戦う姿は驚異的だ。3Dゲームがプレイできるだけあって、2Dゲームは朝飯前とのこと。

http://www.t3.com/features/lost-in-sound-gaming-for-the-visually-impaired