2016年度の海外ドラマMVPとの呼び声が高い<Netflix>オリジナル作品『ストレンジャー・シングス 未知の世界』。

1983年のアメリカ(のド田舎)が舞台の同作には、スティーブン・スピルバーグ監督やホラー作家スティーブン・キングなど、1970~80年代のSF/ホラー作品へのオマージュが満載だ。日本でも、いわゆる“洋画劇場”で名作映画を観て育ったテレビ世代を中心に人気を集めているが、インターネットで映像作品を観ることが当たり前になった若者にとっても、あのレトロな世界観が逆に新鮮なのか大きな支持を得ている。

そんな『ストレンジャー・シングス』、オマージュの“元ネタ”を比較検証する動画なども登場。今のところ挙がっている代表的な元ネタは以下の通り。

『E.T.』(1982)
『エイリアン』(1979)
『グーニーズ』(1985)
『未知との遭遇(Close Encounters of the Third Kind)』(1977)
『炎の少女チャーリー(Firestarter)』(1984)
『エルム街の悪夢』(1984)
『ポルターガイスト』(1982)
『エクスプロラーズ』(1985)
『シャイニング』(1980)
『スタンド・バイ・ミー』(1986)
『キャリー』(1976)

……ということで、まだまだ出てきそうな細かい元ネタや、画面のすみっこにチラリと映る小ネタまで、色々と探ってみることにした。

 

■超能力を操る少女=日本の“あのアニメ”が元ネタ?
シーズン1の要となるエル(イレブン)の特殊能力=サイコキネシス、いわゆる念力の描写はデヴィッド・クローネンバーグ監督の『スキャナーズ』(1981)を彷彿とさせるが、監督のダファー兄弟は「『AKIRA』(1988)の影響が大きい」と発言している。国家機関(本作では米エネルギー省)が研究施設で人体実験を行っているという設定や、超法規的な恐ろしさも共通している。

■タイトルロゴ制作は誰のデザイン?
タイトルロゴ業界では有名なリチャード&ロバート・グリーンバーグ兄弟の<R/GA>(R/Greenberg Associates)が担当。同社がタイトルを手掛けてきた作品は『グーニーズ』『エイリアン』『アンタッチャブル』『アルタード・ステーツ』『ガープの世界』など錚々たるラインナップだが、中でも『デッドゾーン』(1983)からの影響は明らか。

■80’s回帰なメインテーマ曲は新旧名作からの折衷?
カイル・ディクソン&マイケル・スタインが手掛けた楽曲は、ニコラス・ウィンディング・レフン監督/ライアン・ゴズリング主演の『ドライヴ』(2011)のようなシンセウェイブ系の印象が強い。特にメインテーマは同コンビによる『オンリー・ゴッド』(2013)のテーマ曲に激似で、これらは元キャプテン・ビーフハートのドラマーであり、一時期レッチリでも叩いていたクリフ・マルティネスが手がけている。作曲家としても名高いジョン・カーペンター監督の影響も強いはず。

 

■男と男のタイマンといえば、やっぱり『ゼイリブ』!?
そんなカーペンター監督からの影響は音楽以外にも顕著で、失踪したウィルの兄・ジョナサンとイジメッ子・トミーの喧嘩シーンは、同監督の代表作『ゼイリブ』(1988)で最も印象的なシーンのひとつ“長すぎるタイマン”を彷彿とさせる。他に『ハロウィン』(1978)や『ザ・フォッグ』(1980)からの影響を感じさせるシーン/音楽も多く、ダファー兄弟自身インタビューで同監督へのリスペクトを公言している。

 

■カメラ小僧ジョナサンの盗撮シーンは『欲望』から?
そのジョナサンが盗撮した写真の中にナンシーが“アイツ”を発見するシーンは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『欲望』(1967)から拝借したものだろうか。とはいえ、カメラマンが偶然ヤバい瞬間を撮影してしまったことに後から気づいて……というのは多くの作品が拝借しているお約束ではある。

 

■『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』(1979)『マイノリティ・リポート』(2002)
エルが異次元と交信するために浸かるアイソレーション・タンク。現実世界では主に、感覚を遮断しリラックスや疲労回復の促進のために使用されているが、それが一般に広まったのは『アルタード~』の影響が大きいらしい。幻覚作用/予知能力の増幅という意味で『マイノリティ~』と併せて元ネタになっていると思われる。

 

■実は近作からのインスパイアも
そのタンクからエルが飛び込む異次元世界。黒い液体の上を歩く描写はまんま『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2014)である。

 

■ゲームからの影響も
<PlayStation 3>用アクションアドベンチャーゲーム『BEYOND: Two Souls』の主人公ジョディ(モデルは女優エレン・ペイジ)は霊体と交流できるのだが、幼少期の実験室のシーン(頭部の装置)や力を使うと鼻血を流す設定、坊主頭などはエルがまんま拝借している。こちらもSF作品には珍しくない設定ではあるので断定はできないが……。

 

なお、その他の“気になる小ネタ”は以下。

●“アレ”が皮膜のようになった壁からニュ~っと出てくる様子は『ヴィデオドローム』(1983)のブラウン管?
●“アレ”が血液に反応するのは鮫の習性から?→つまり『ジョーズ』?
●“アレ”の声(音?)は『プレデター』(1987)を意識?
●たびたび登場する州警察官の名前が“オバノン”→ご存じ『バタリアン』の監督で偉大な特殊効果マンだった故ダン・オバノンへのリスペクト?
●登場人物たちの部屋には『死霊のはらわた』(1981年)『ダーククリスタル』『遊星からの物体X』(1982)など名作SF/ホラーのポスターが散りばめられている。
●ナンシーと男子2名(トミー&ジョナサン)の三角関係は永遠の青春ドラマ作家、ジョン・ヒューズ監督の『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)などの影響を感じさせる。
●ホッパー警察署長がウィルの失踪の痕跡を探して納屋に入るシーン。裸電球が突然切れて、再び明かりが点くまでの十数秒間だけ足音が沼地を歩くような音になっている。知らないうちに“あちら側”の世界に足を踏み込んでいたのかも……?

言われてみれば「確かに!」なシーンの数々だが、細かいセリフやカット単位で探ればまだまだ出てきそう。ちなみにシーズン2は2017年に配信が始まるとのことなので、今のうちに確認しておこう!

 

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