米シカゴで黒人の少年少女たちが、知的障害を抱えた白人の少年を“拷問”。さらに、その行為をFacebook上で“ライブ中継”したという衝撃的なニュースが5日、米NBCニュースによって報道された。

 

容疑者たちは、被害者の少年に対し殴る蹴るの暴行だけでなく、タバコを押し付けたりハサミで服を引き裂いたりと、やりたい放題。また、ところどころで「Fuck Donald Trump!」「Fuck white people!」と、人種対立を思わせる暴言を大声で叫ぶ様子も確認できる。

この衝撃的な映像に憤った人々は、ツイッター上で「#BLMKidnapping」というハッシュタグを付け、今回の事件を“BLM運動と関連したヘイトクライムだ”とツイート。しかし当然ながら、この事件と一連の<Black Lives Matter>の抗議運動の間に直接の関連性はない。
(※BLM=Black Lives Matter。4年前に黒人の少年が警官に殺害されたことをきっかけに全米で起こった人権運動)

シカゴ警察によると、容疑者とされているのはいずれも18歳の黒人少年2人/少女2人で、そのうち1人は被害者の同級生だった。

4人はワゴン車を盗み、シカゴのとある場所に少年を誘拐し、拷問の様子を約30分にわたって中継。警察の発表によると、被害者の少年は少なくとも24時間は行方不明になっていたようだが、付近の道路をさまよい歩いていたところを発見され、すぐに病院へと搬送された。この事件はヘイトクライムの可能性があるとして、4人の少年少女に事情聴取が行われているという。

Facebookは人々が犯罪行為を美化したりすることがないようにと動画をすぐさま削除したが、すでに数々の報道機関で放送され、それを見た人々の中にはこの事件を<Black Lives Matter>の運動と関連付ける者もいた。

ドナルド・トランプを支持する国家主義指導者のリチャード・スペンサーもそのひとり。かつてナチス式敬礼が非難されたことで有名なスペンサー氏(いわゆるオルタナ右翼)は、ここぞとばかりに「#BLMKidnapping」のタグを添え、事件をヘイトクライムと断定しないシカゴ警察のジョンソン氏をツイッター上で批判している。

しかし<Black Lives Matter>は平和的な抗議活動であり、容疑者たちも犯行中に“BLM”という言葉を発してはいない。それでも、この事件をきっかけにBLM運動に対する社会的反発が強まることは避けられないはずだ。D・トランプが大統領に選出されて以来、アメリカ社会に漂っていた人種間の緊張状態が、この拷問事件によってさらに深まったと言えるだろう。

自由と平等の国だったはずのアメリカを、トランプ旋風に便乗した国家主義的な風潮が覆いつつある。

 

http://www.theverge.com/2017/1/5/14177494/chicago-teen-torture-facebook-live-video-black-lives-matter